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看板の寿命はどれくらい?
法定耐用年数・耐久年数・減価償却を解説

2024.11

看板は、店舗や企業の顔として重要な役割を果たしますが、その寿命や耐用年数について詳しく知らない方も
多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、看板の法令に基づく耐用年数や実際の耐久年数、減価償却に関する基本的な知識について解説します。
看板の寿命を正しく把握することで、適切なタイミングでメンテナンスや買い替えを行い、安全性を確保しつつ、広告としての効果を長期間にわたり維持することが可能です。
看板の機能を最大限に活用するためのポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

看板の耐用年数

看板を設置すると、価格次第では固定資産として計上する必要があります。
固定資産として計上する際は、減価償却費を計算するために、法令で定められた看板の耐用年数を確認しなければなりません。
この章では、看板の耐用年数や勘定科目について詳しく見ていきましょう。

 

耐用年数とは?

耐用年数とは、資産が使用できると見込まれる期間のことで、この数字が減価償却が適用される期間となります。
資産の購入費用を複数年にわたって経費として分割計上するための基準期間であり、企業や個人が税負担を緩和する目的で
設定されています。

この期間は、資産の種類や用途、取得時期などに基づいて法律で定められており、耐用年数が経過すると資産価値は
帳簿上ゼロになる仕組みです。
ただし、実際には修理やメンテナンスによって、継続して使用することが可能になる場合もあります。

 

減価償却とは?

減価償却とは、企業が取得した資産の購入費用を、資産が使用される期間に分けて経費として計上する方法です。
資産を一度に全額経費とするのではなく、長期にわたって少しずつ費用として認識します。

減価償却は、企業の財務状況を正確に反映させるために行われ、特に高額な資産において有効です。
使用に応じて年々価値が減少する資産に適用され、その減少分を経費として計上することで、企業の利益計算や税負担を
適切に調整する役割を果たします。

 

看板の耐用年数

看板の耐用年数には、移動が容易な「器具及び備品」、建物に付属する「建物附属設備」、独立して設置される「構築物」という3つの分類があり、以下のように定められています。

このように、看板の耐用年数は種類に応じて異なり、資産の分類ごとに定められた期間で減価償却が行われます。
看板の形状や材料、設置場所によって異なる耐用年数に基づき、購入費用を複数年にわたって費用として計上しましょう。
※国税局 主な減価償却資産の耐用年数表 (https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf

 

看板の種類別勘定科目早見表

以下では、 看板の種類ごとに勘定科目と耐用年数をまとめましたので参考にしてください。

看板の素材や設置環境に応じて異なる耐用年数に注意し、適切な勘定科目に分類しましょう。
また、看板の劣化状況やメンテナンスにより、実際の使用可能年数が異なることもあるため、定期的な点検と
適切に管理することが大切です。

 

法定耐用年数=寿命ではない

法令で定められた耐用年数は、税務上の資産償却期間を示すものであり、実際の使用できる期間とは異なります。
耐用年数は、資産価値を分割して経費化するための基準期間であり、この期間が過ぎたからといって看板などの物理的寿命が
尽きるわけではありません。

実際には、看板の材料や設置環境、メンテナンス状況によって、耐用年数を超えても使用できるケースが多くあります。
逆に、厳しい環境下では、耐用年数より早く寿命を迎えることも避けられません。

 

看板はいつ買い替えるべき?

看板は、定期的な点検と適切なメンテナンスを行い、必要に応じて買い替えを検討することで、
長く安全に使用することが可能です。
ここでは、看板の買い替えを判断するポイントや、看板の寿命を延ばす方法を紹介します。

 

構造体の状態から判断する

看板の買い替え時期は、構造体の状態から判断することが大切です。
屋外に設置される看板は、風雨や紫外線などに長期間さらされ、経年劣化が避けられません。

特に、支柱や看板本体にサビや腐食、ひび割れなどが見られる場合は、視認性や美観が損なわれる上に安全性の観点からも
早めの交換を検討しましょう。定期的なメンテナンスや買い替えを行うことで、看板の機能とデザインを維持できます。
看板の耐久性だけでなく、見た目や機能性が劣化することで、広告効果が低下することも考慮することが大切です。

 

看板の寿命を延ばすにはどうすればいい?

看板の寿命を延ばすには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
屋外に設置される看板は、風雨や紫外線による劣化が避けられませんが、適切なメンテナンスを行うことで、
寿命を延ばすことが可能です。
具体的には、サビや腐食が進行する前に清掃や塗装の補修を行い、支柱や取り付け部の安全性を確認します。

地方自治体によっては、定期点検が義務付けられており、これを怠ると罰則が科されることもあるため、
法令に従った管理が必要です。適切なメンテナンスにより、看板の美観と機能を長く維持しましょう。

 

屋外広告物の点検項目

<所有者>

屋外広告物の所有者による点検項目には、看板の安全性と美観を保つための重要なチェックポイントが含まれます。

まず、支柱やブラケット部分のサビの発生を確認し、支柱の根元や取り付け部分が腐食していないかをチェックしましょう。
看板が壁から垂直に設置されており、傾いていないかどうかも確認が必要です。
また、アクリル板にひび割れや外れそうな箇所がないかも見逃せません。

さらに、パネル部分が安定しているか、表示面がガタついていないか確認しましょう。
照明が正常に点灯しているか、照明器具自体が傾いたり外れかけたりしていないかも重要な点検項目です。


<専門業者>

専門業者は、構造の安全性を確保するための高度なチェックを行うことが必要です。

まず、溶接部分に亀裂や破損がないか、またボルトやビスの緩みがないか確認し、さらに、構造体全体の腐食や
サビの進行具合を調査して、必要に応じて補修を行います。

また、電気配線の劣化も見逃さず、適切に処置することが大切です。蝶番や錠などの開閉金具の機能確認も欠かせません。
外照式の照明器具や取り付け金具がしっかりと固定されているか、コーキング部分に劣化や隙間がないかも
細かくチェックする必要があります。

 

看板の耐久年数を左右する要因

最後に、看板の耐久年数を左右する要因を見ていきましょう。
看板は設置場所や周辺環境、素材、表面加工の違いが、劣化スピードや耐久性に大きく影響するため、各要因によって
寿命が異なります。

 

設置場所や周辺環境

看板の耐久年数を左右する要因の一つは、設置場所や周辺環境の影響です。
屋外に設置された看板は、直射日光や風、雨の影響を大きく受けます。
日差しによる紫外線は、看板の色あせを引き起こし、印刷部分が薄れてしまうことがあるため注意が必要です。
また、雨により金属部分がさびたり、木材が腐食したりと劣化も起こります。

さらに、強風にさらされることで、取り付け部分が疲労し、ネジやボルトが緩む可能性もあるでしょう。
特に海の近くに設置された看板は、塩害による金属の腐食が早まり、通常よりも寿命が短くなることが多くあります。
このように看板の寿命は、設置場所や周辺環境によって大きく変わるのです。

 

素材

看板の耐久年数は、使用する素材によっても異なります。
木材で作られた看板は、価格が安い一方で耐久性が低く、特に雨風にさらされると早く劣化します。
木製看板は軽くて加工しやすい反面、屋外での長期使用には適していません。
また、金属素材、特にステンレスやスチールは強度が高く耐久性にも優れていますが、サビのリスクがあり、定期的なメンテナンスが必要です。

一方、アルミ複合板は軽量でありながら高い耐久性を持ち、腐食に強いという特性があるため、近年ではアルミ複合板が看板の素材として広く使われています。このような、設置場所や使用期間に応じた素材選びは、看板の寿命に関わる大切な要素です。

 

表面の加工

表面の加工方法も看板の耐久年数を左右する要因の一つです。例えば、単純な印刷紙を使用した看板は短期間で劣化しますが、定期的に差し替えができるため、内容を頻繁に更新する用途に向いています。
一方、平板に印刷したシートを使用する場合は、表面にラミネート加工を施すことで雨や風によるダメージを防ぎ、耐久性を向上させることが可能です。

さらに、耐光性のラミネートを使用すれば、紫外線による色あせを防ぎ、長期間にわたって美観を維持できます。
短期間の使用を目的とする場合は簡易な加工でも十分ですが、長期的に使用する看板には、耐光性や防水性を考慮した加工が
必要です。

 

まとめ

看板の寿命は、法令で定められた耐用年数ではなく、実際の使用環境に依存します。
法定耐用年数は減価償却の基準となる期間ですが、実際の耐久年数はさらに長い場合もあることを知っておきましょう。

また、設置場所や素材、表面加工の違いによって看板の寿命は変動するため、看板を長く安全に使用するためには、
定期的なメンテナンスと適切な管理が必要です。法令を理解し、状況に応じた適切なメンテナンスを行うことで、
効果的な看板運用を目指しましょう。

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