コラム
Columnデジタルサイネージのコンテンツに最適なデータ形式とは?
2025.02
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- デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、効果的に情報を伝えるデジタルツールとして、多くの場面で活用されています。
しかし、デジタルサイネージの効果を最大限に引き出すには、適切なデータ形式を選ぶことが大切です。形式の選択次第で、コンテンツの品質や視覚的なインパクトが大きく変わります。
本記事では、デジタルサイネージ用コンテンツに適したデータ形式について、基本的なポイントと考慮すべき要素を詳しく見ていきましょう。
デジタルサイネージに関する動画データ形式の種類
まずは、動画データ形式の種類を紹介します。
MP4
MP4は、MPEG-4 Part 14の略語で、動画や音声だけでなく、字幕や静止画など複数のコンテンツを1つのファイルに格納できます。拡張子は「.mp4」で保存され、ほとんどの再生ソフトウェアやアップロードサービスに対応可能です。
圧縮率が高く、データサイズを抑えながら高画質を維持でき、容量を節約しつつ品質を損なわないため、パソコンやスマートフォン、ストリーミングサービス、デジタルサイネージなど、幅広いデバイスやプラットフォームで活用されています。
WMV
WMVは、Microsoft社が開発した動画圧縮形式で、高い圧縮率ときれいな画質を維持する能力が特徴です。
主にWindows Media Playerで再生され、圧縮処理には時間がかかることもありますが、動画を効率的に圧縮しながらきれいな画質を保てるため、動画配信サービスやデジタルサイネージ広告で広く使用されています。
特に、最新バージョンのWMV9は、対応デバイスやソフトウェアの普及率が高く、デジタル広告やコンテンツの制作においても多く採用されている動画データ形式です。
MPEG-2
MPEG-2は、MPEG委員会によって策定された動画圧縮形式で、「.mpg」「.mpeg」「.m2p」「.ts」などの拡張子で保存されます。目的に応じた2種類の形式に分類されることが特徴で、MPEG2-PSはDVDやビデオコンテンツで主に使用され、MPEG2-TSはブルーレイディスクや地上波デジタル放送など、リアルタイムで配信する環境に最適です。
また、高解像度向けに計画されていたMPEG-3の規格は、MPEG-2がその機能を統合したため実現することはなく、MPEG-2の後継はMPEG-4となっています。
AVI
AVIは、Microsoft社によって開発された動画ファイル形式で、Windowsの標準的なフォーマットとして広く利用されている動画データ形式です。音声と映像を交互に配置して格納する仕組みを持ち、動画と音声を1つのファイルに保存することが可能です。シンプルで汎用性の高いフォーマットとして、さまざまなデバイスやアプリケーションでの再生に対応しています。
圧縮方式に依存するため、データサイズが大きくなる場合もありますが、品質を重視した映像の保存に適しています。
デジタルサイネージに関する静止画データ形式の種類
続いて、静止画データ形式の種類を紹介します。
JPEG
JPEGは、静止画のデータ形式として世界的に標準化され、多くのデバイスやアプリケーションで広く使用されています。
画像を効率的に圧縮することで、ファイルサイズを大幅に削減できます。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真は、JPEG形式で保存されることが多く、日常生活でもなじみのある静止画データ形式です。
JPEGは、高画質を維持しつつファイルサイズを抑えられ、表示速度や処理効率が求められる場面に適しています。
PNG
PNGは、高品質な画像保存が可能な静止画データ形式で、データ圧縮時に情報が失われない点が特徴です。
そのため、編集や保存を繰り返しても画質が劣化せず、鮮明な状態を保てます。さらに、背景の透明化をサポートしているため、ロゴやアイコンのデザインに適しており、複数の画像を重ねる場面でも効果的です。
視認性が重要なロゴや装飾要素の表示に活用されることが多く、ファイルサイズはやや大きくなりますが、クリアな画質と柔軟なデザインが求められる用途に適しています。
デジタルサイネージへの表示に必要なコンテンツ解像度の種類
コンテンツの解像度は、デジタルサイネージの表示品質を左右する大切な要素です。
FHDサイズ(フルハイビジョン)
FHDサイズ(フルハイビジョン)は、1,920×1,080ピクセルの画面解像度を指す標準的なフォーマットです。約207万画素の解像度を持ち、滑らかで鮮明な画質を実現するため、テレビCMやオンライン動画の制作にも広く採用されています。
デジタルサイネージ用ディスプレイでは、32インチ以上のモデルの多くがFHD解像度に対応しており、視認性が求められる公共の場や商業施設で、細部までクリアに表現できることが魅力です。
4Kサイズ
4Kサイズは、3,840×2,160ピクセルの解像度を持つ映像フォーマットで、約829万画素というFHDサイズの4倍の細かさを誇ります。この高解像度により、大型のデジタルサイネージディスプレイでも鮮明でリアルな映像表現が可能です。
大画面であっても映像の劣化がなく、近距離でも高品質な表示ができるため、精細なディテールや豊かな色彩を求められる商業施設や展示会、広告分野での利用に最適で、視聴者に強い臨場感を与え、視覚的な訴求力を向上させます。
8Kサイズ
8Kサイズは、7,680×4,320ピクセル、約3,317万画素の解像度を誇る現行の最高水準の映像フォーマットです。8Kサイズの解像度は、フルハイビジョン(FHD)の16倍、4Kの4倍の細かさで、細部までリアルに表現でき、大型ディスプレイでも没入感のある映像体験を提供します。
ただし、8K対応のデジタルサイネージディスプレイはまだ限られており、コンテンツ制作や再生機器においても高度な技術が求められるのが現状です。しかし、進化を続ける映像技術の中で、今後8Kは高解像度映像の新たな基準として、商業施設や展示会、広告分野での利用が広がるでしょう。
デジタルサイネージ用のコンテンツを作成するポイントとは?
ここでは、デジタルサイネージでコンテンツを効果的に表示するために、作成時のポイントを確認しておきましょう。
動きのある動画で注目度を上げる
デジタルサイネージ用のコンテンツを作成する際は、できる限り動画形式で制作することが効果的です。
動きのある映像は静止画に比べて視認性が高く、人々の注意を引きつけやすい特徴があります。特に、公共の場や商業施設では、多くの視聴者に短時間でインパクトを与える必要があるため、動画コンテンツが最適です。
動きを持たせることで、メッセージやブランドの魅力、商品やサービスの特徴などをより印象的に伝えましょう。動画コンテンツを活用することで、デジタルサイネージの効果を最大限発揮させることができます。
大きめの文字サイズで作成する
デジタルサイネージ用のコンテンツを作成する際は、文字サイズを大きく設定することも大切です。デジタルサイネージは、離れた位置からでも視認しやすいデザインが求められるため、小さな文字や長文は避けるべきです。
人目を引き、短時間でメッセージを伝えるには、簡潔なフレーズを採用し、大きな文字で表現しましょう。これにより、視聴者は瞬時に内容を理解しやすくなり、コンテンツの訴求力が向上します。
静止画でも複数用意してループさせる
デジタルサイネージ用コンテンツで静止画を活用する場合は、複数の画像を用意し、ループ再生することで効果を高めることが可能です。同じ静止画を長時間表示しているだけでは、一般的な看板と変わらず、視認性や訴求力が低下してしまいます。
複数の画像を順番に切り替えれば、画面に動きが生まれ、視聴者の関心を引きつけやすくなるでしょう。静止画であっても視覚的な新鮮さを提供でき、デジタルサイネージの特徴である動的な広告効果を最大限に活用できます。
動画コンテンツのデータ形式に関するポイント
最後に、動画コンテンツに必要な拡張子やデータ容量について解説します。
推奨形式
デジタルサイネージで使用する動画コンテンツのデータ形式は、対応する拡張子を選ぶことが大切です。
一般的に、動画コンテンツには【MP4】形式が推奨されます。MP4形式は、幅広いデバイスやソフトウェアで再生でき、圧縮効率が高く、高画質を維持しながらデータサイズを抑えられることが特徴です。静止画コンテンツでは、汎用性の高い【JPEG】形式が多くのデジタルサイネージ機器に対応しています。これらの形式を選択することで、コンテンツをスムーズに表示しましょう。
また、放映デバイスは4Kがスタンダードになっていますが、サイネージコンテンツではデータ容量が重くなってしまい配信に負荷がかかるため、まだFull HDのデータが使われることも多いです。
データの容量を大きくしない
デジタルサイネージに使用する動画コンテンツは、データ容量を適切に管理することが必要です。
容量が大きすぎる場合、再生がスムーズに行われない、または機器が対応できない可能性があるため注意しましょう。
一般的には、動画の容量は200MB以下に抑えることが推奨されます。また、再生する機器が対応しているフォーマットやコーデック、フレームレートを事前に確認し、それに基づいて最適な設定でコンテンツを作成することも大切です。適切な圧縮を施すことで、データサイズを削減しながら画質を保ち、安定した再生と効率的なデータ管理が実現します。
まとめ
デジタルサイネージの成功には、視覚的に優れたコンテンツの作成と、適切なデータ形式の選択が大切です。動画や静止画において、データ形式や解像度、容量などを最適化することで、スムーズな再生と高品質な表示が可能になります。
さらに、機器の対応フォーマットを事前に確認することが、トラブルを防ぐための基本です。適切な形式を選び、情報を効果的に伝えるデジタルサイネージの可能性を最大限に活用しましょう。
クラウドポイントではデジタルサイネージのコンテンツ制作を承っております。
ご相談・ご質問ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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