コラム
Column【初心者向け】タッチパネルはなぜ便利なのか
2017.02
- Category
- デジタルサイネージ
iPhoneから始まったスマートフォンの爆発的な普及により、タッチパネルが広く世間に知られるようになりました。
フィーチャーフォン(いわゆるガラパゴス携帯)からスマートフォンに機種変更した時の感動は、すでに薄れて遠い記憶の様です。PC、タブレット端末、スマートウォッチ、スマート家電・・・と、タッチ操作ができるデバイスは多種多様化しており、操作画面は、とりあえずタッチすれば動くのでは?とさえ思えてくるほどです。
では、なぜタッチパネルはこんなにも普及したのでしょうか?
単純に便利だからという理由でもありますが、ではなぜ便利なのか、不便な点はあるのかという点についてスマートフォンとフィーチャーフォンを例にして掘り下げていきたいと思います。
タッチパネルを操作する際によく使われる形容詞として「直観的な」という言葉がよく使われます。
拡大操作やスクロール操作を画面に直接触れることで行えることや、従来の「進む」や「戻る」のボタンが左右のスワイプ操作で可能になり、本をめくるような自然な動作で操作できることから、そう形容されます。
文字入力の際に行う上下左右のフリック操作も、はじめは慣れなかったかもしれませんが、多くの方がボタン操作よりも早い文字入力ができるようになったのではないでしょうか?
以前までの携帯だと、長い文章を読むときにカチカチと下に行くボタンを押さなければなりませんでした。
タッチパネルは、スワイプ操作の移動距離と速度を加減することで、好きなところまで簡単に進むことができます。
このように直感的にスイスイと操作できる。これがタッチパネルの最大のメリットであると言えるでしょう。
これら二本指で拡大縮小する「ピンチ」、上下左右に指を滑らす「スワイプ」、シュッと指をはらう「フリック」という操作を実現したのが、iPhoneで採用された「液晶パネル+静電容量式タッチパネル」と「マルチタッチ」です。
スマートフォンよりはるか昔から、銀行のATMなどでタッチパネルは採用されてきましたが、これらは「抵抗膜式」と言い、ブラウン管にフィルム状のスイッチを貼ることでタッチ操作を実現していましたが、検出精度や透明度、耐久性に問題を抱えていました。押せばへこむ程度の柔らかいフィルムを貼っているので、そのフィルムは傷もつきますし、機械接点ですので経年変化で接触が悪くなります。ATM機やチケット発券機などで、数字キーに該当する部分が擦れて曇り、さらにタッチの反応も鈍くなってしまっている機械を見たことがあるかと思います。
その点、故障しにくい、傷がつきにくいという点でもガラス面の静電容量式タッチパネルは優れています。精度の高い静電容量式タッチパネルは高価であることがネックでしたが、iPhoneに採用され、その後のスマートフォンが雪崩をうって追従したことで大量生産されたためにコストが下がり、メリットの部分がクローズアップされるようになったのです。
逆に高度なセンサを用意せずとも画面にフィルムを貼るだけであらゆる表示機をタッチパネル化が出来る抵抗膜式は構造が単純で安価ですが、マルチタッチに対応させには専用のコントラーラを加えなければならないなど逆に複雑で高価になり、デメリットが目立つようになりました。
従来のようなフィーチャーフォンには多くのボタンがあります。それはつまりその周りには隙間があるという事であり、そこから水滴やホコリが入り込んで動かなくなるという可能性があります。
タッチパネルを採用することで、いくつもあるボタンの代わりに一体化された1つの部品にできるため、構造がシンプルで防水や防塵処理も施しやすくなるメリットがあります。
また、部品数が少なくなり、機械的な稼働部分も減るため、耐久年数のバラつきが少なくなります。
逆にボタンがないことにはデメリットもあります。
色々な機能が増えた一方で、逆に操作性が下がった面もあります。
例えば文字を打つとき、隣同士の境がはっきり認証されないため打ち間違いの原因になります。
また、ボタンを押したという感覚がないため押したかどうかわからないという現象も起こりえます。
そのため、タブレットなどに付属のキーボードや、振動により擬似的にボタンを押したような感覚になる、ゲーム機のコントローラーでもおなじみのフォースフィードバックが重宝されるのです。
タッチパネルを採用した製品は急速に増えており、高機能・高性能化も目を見張るものがあります。
1つの新しいデバイスの登場で、全く新しい体験ができるようになり、それが日常生活の中で必需性を増していく時代です。
もしかしたら、身の回りのあらゆるもの、たとえばタンスやベッドに、タッチパネルが無くてはならなくなる日も来るのかもしれません。
出典 http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1405/16/news047.html
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