コラム
Column調光とはどんな機能?使用製品、関連製品と合わせて紹介!
2025.04
- Category
- スペースデザイン
調光とは、光の明るさを変える機能のことです。
特に調光機能を持つ調光フィルムは、加工がしやすく空間を問わず導入できますが、そのほかにどのような製品があるか
気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、調光ができる製品について解説します。調光フィルムの仕組みやメリットも分かりやすく説明しますので、
調光フィルムに興味のある方は、ぜひご覧ください。
調光とは?
調光とは、光の明るさを変える機能のことです。
最近では、室内の雰囲気づくりを目的とした調光機能が普及しており、活気のある雰囲気を演出したい場合は明るく、
プロジェクターを投影する場合は暗く調節できるものもあります。
天井照明に調光機能が搭載されている場合は、リモコンやスマホによる遠隔操作も可能です。
また、調光機能は電気代の節約やCO2の削減にも効果が期待できるので、ランプや照明器具の種類に合わせて
活用方法を検討するとよいでしょう。
なお、白熱灯やハロゲン電球はライトコントロールに接続することで簡単に調光できますが、LEDや蛍光灯の場合は、
調光可能な照明器具を事前に用意しなければならない点にご注意ください。
調光フィルムとは?
調光フィルムとは、電源のオン・オフによって透明または不透明を操作できるフィルムのことを指します。
PDLC方式のものが一般的です。PDLC方式は、電気の通っていない調光フィルムは内部の液晶分子が散らばることで
不透明になり、電気の通った調光フィルムは、液晶分子が整列して光を透過しやすい状態になることで透明になる仕組みです。
また、調光フィルムはスイッチによる制御が一般的ですが、センサーと組み合わせてフィルムの透明度を調節する場合もあります。スイッチによる制御方法は、部屋の照明のように簡単に操作でき、設置環境やフィルムの種類に合わせてコントローラーやリモコンを活用できる点がメリットです。
一方のセンサーと組み合わせた制御方法は、リモコン操作の手間がかからず、決められた条件に合わせて自動的に
フィルムの透明度を調節できます。
なお、調光フィルムはブラインドやカーテンの代用品としても導入されており、プライバシーの確保やスクリーンの
映像投影など、さまざまなシーンで使用できるメリットがあります。
どんな目的で使われている?
調光フィルムは、オフィスや病院、商業施設などで活用されています。
普段は透明な状態で使用し、スケジュールに合わせて不透明に切り替えるなど、開放的かつプライバシーを保護する役割を
両立させた活用方法が人気です。
オフィスでは、調光フィルムの特性を生かして会議室や役員室に導入するケースが多い傾向があります。
会議室のドアに調光フィルムを導入する場合は、開き戸や引き戸、自動ドアなどに対応でき、施工部分を一部に限定すれば
費用の節約も可能です。
また、病院では手術室やカウンセリングルームに施工するケースが多く、見渡しのよさとプライバシーの保護を両立した設備の導入が実現できます。カーテンやブラインドよりも消毒や清掃がしやすく、CT室の放射線を遮断する特殊ガラスへの施工も可能です。
さらに、商業施設では営業中に透明な状態の調光フィルムを使用することで、明るく見渡しのよい店内をつくれます。
営業時間外は調光フィルムを不透明な状態で使用して、清掃や搬入作業を外から見えないように工夫するのもよいでしょう。
なお、不透明な状態の調光フィルムはプロジェクターで鮮明な映像を投影できるので、広告やインフォメーションの映像を、
通路や屋外に発信したい場合にも適しています。
調光の仕組み
ここからは、調光フィルムの仕組みを説明します。
PDLC方式
PDLC方式の調光フィルムは、Polymer Dispersed Liquid Crystalの略で、電源のオン・オフによってガラスの透明・不透明を
操作する種類を指します。「ポリマー分散型液晶」や「高分子分散型液晶」とも呼ばれ、フィルム内の液晶分子に電流が流れることで配列が変わる仕組みです。
オフィスや学校のパーテーションに活用することで、電源をオフにすれば目隠しの役割を果たし、電源をオンにすれば
透明な状態に変化するため空間の開放感を演出することも可能です。
PNLC方式
PNLC方式は、液晶を網目状の物質の中に閉じ込めた調光フィルムです。
電気が流れていない時は、液晶がバラバラの方向を向いて光を散乱させるため、フィルムは白く曇って見え、電気を流すと
液晶が同じ方向に整列して光を通すようになり、フィルムは透明になります。
また、PDLCとPNLCの違いは、液晶の閉じ込め方が異なり、PNLCの方がより透明度が高いという特徴があります。
こちらもPDLC方式と同様、建材として幅広く普及している方式で、オフィスや店舗の窓など、透明な状態での使用が多い場所に適しています。
SPD方式
SPD方式の調光フィルムは、電圧をかけて粒子の配列を調節することで光の透過率を変える種類です。
電子ナノ粒子を電膜の間に挟んだ構造をしており、電圧の強さで光の透過率を段階的に調節できるので、
視界を確保しながら光のコントロールが可能です。
SPD方式の調光フィルムは、内装の建材として利用するには不向きな一方、日光の遮断やプライバシー確保の目的で、
車の窓やサンルーフへの活用が期待されています。
エレクトロクロミック方式
エレクトロクロミック方式の調光フィルムは、弱い電流でガラスの色や透明度を調節する種類です。エレクトロクロミックゲルを薄いガラスの間に挟んだ構造で、電流を流すことでガラスの透過率が変化する仕組みです。
エレクトロクロミック方式の調光フィルムは、EDW(Electronically dimmable windows)と呼ばれる先進的な技術として、
ボーイング747の窓ガラスにも採用されています。スマートフォンやタブレット、大型のディスプレイなどに活用される場合もあり、エレクトロクロミック特性を利用した色の変化を楽しめる製品も開発されています。
調光フィルムの特徴
ここからは、調光フィルムの特徴を解説します。
形状の自由度が高い
調光フィルムは形状の自由度が高く、設置場所に合わせて大きさを変えられます。
割れにくくミリ単位で調節できることから、部分的な貼りつけや穴開けなどの繊細な加工も可能です。
デザイン性の高いフィルムを作成すると、企業イメージの向上効果も期待できるでしょう。
また、調光フィルムは万が一割れてしまってもガラスの破片が飛び散りにくく、周囲の被害を最小限に抑えられるので、
安全性を高めたい場合やセキュリティ対策としても有効です。
電気で透明度をコントロールできるものもある
調光フィルムには電気で透明度をコントロールできるものもあり、設置環境に合わせて柔軟に対応できる場合があります。
セキュリティ対策として調光フィルムを導入する場合は、電源が消えると不透明な状態に変化する種類を選ぶとよいでしょう。
不透明な状態の調光フィルムはスクリーンとしても導入できるので、会議室で資料を投影する際や、ショーウインドウの広告を演出する場合に活用するのもおすすめです。
反対に、調光ガラスを透明な状態で使用する頻度が多い場合は、電源が消えると透明に変化する商品を選ぶことで
電気代を節約できます。
ただし、調光フィルムを設置する際は電気工事の費用がかかり、修理は専門業者への依頼が必要な点にご注意ください。
瞬時に透明と不透明を切り替えられる
調光フィルム内の液晶分子は、電気が流れると0.1秒以下のスピードで配列を変える性質があり、スイッチで
瞬時に透明・不透明を切り替えられます。タイムラグが少なく、状況の変化に柔軟な対応ができるので、急な来客や会議の際にも適切な空間を素早くつくれる点もメリットです。
UVカット効果があるものも選べる
室内に入る紫外線を抑えたい場合は、UVカット効果のある調光フィルムがおすすめです。
紫外線は白内障や皮膚疾患を引き起こす原因といわれており、床材や家具を劣化させる可能性もあります。
導入予定の調光フィルムにUVカット効果があるか分からない場合は、専門業者に確認しておくとよいでしょう。
また、UVカット効果のある調光フィルムはまぶしさや室温上昇を抑える効果も期待できるので、
窓際や直射日光が入りやすい場所への活用もおすすめです。
種類が選べる
先述のとおり、調光フィルムにはいくつか種類があり、使いたい場面によって適切なものを選ぶことができます。
PDLC方式やPNLC方式の調光フィルムは、セキュリティ対策やプライバシーの保護を重視して調光フィルムを設置する場合に
おすすめです。グレーやブラックなどの色を選べる場合もあるので、使用目的に合わせて選択するのもよいでしょう。
SPD方式は、内装の建材として利用するには不向きでコストが高いというデメリットもありますが、透明/不透明の切り替え速度が非常に速く、電圧の強さに応じて透過率を細かく調整できる特徴があります。
エレクトロクロミック方式は、内装の建材として利用するには不向きで透明/不透明の切り替え速度が遅く、
耐久性が低いというデメリットもありますが、電気を利用して光の透過をコントロールする先進的な技術として知られており、紫外線や赤外線をカットできるものもあるため、用途に応じて選択するのが良いでしょう。
まとめ
調光フィルムは形状の自由度が高く、設置場所に合わせて大きさを変えられるので、デザイン性を重視した設計も可能です。
一般的なガラスよりも割れにくく、災害があった際にも周囲への被害を最小限に抑えられるので、
設備の安全性を高めたい方は、調光フィルムの活用をぜひご検討ください。
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