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【初心者向け】有機 EL メリットとデメリット

2017.02

最近「有機EL」という言葉を雑誌やテレビで聞いたり見たりしませんか?でも有機ELが一体どんなものかわからずに皆さんは使っていないでしょうか。有機ELとは、「有機エレクトロルミネッセンス」の略です。
簡単に言うと、特定の有機物に電圧をかけると発光します。有機物とは植物や動物を構成する、どこにでも存在する炭素を含んだ化合物です。約25年前、アメリカの研究者が有機物を、非常に薄い層に形成することで光を得ることに成功しました。
この有機物が光る現象を有機ELと呼び、現在では有機ELディスプレイや有機EL照明として活用しています。
有機ELディスプレイパネルの生産はサムスンとLGの韓国2社で世界シェアの98%を占めています。(http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2016/06/23/0200000000AJP20160623004700882.HTML) iPhoneの2017年モデルにも有機ELパネルが採用されると予想され、日本のジャパンディスプレイや台湾の鴻海-シャープも生産体制を整えており、2017年以降は有機ELディスプレイがどんどん増えていきそうです。

では、そんな有機ELディスプレイには、どういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

●メリット
・バッテリーの持ちがいい
有機ELは電池が長持ち  有機ELの消費電力は、液晶より30%ほど少ないと言われています。スマホの消費電力の内、ディスプレイが約3割を占めると言われていますから、有機ELを搭載することで電池の持ちが大きく伸びます。液晶画面で16時間使えるスマホなら、有機ELでは更に3時間長く使えるという話もあります。
しかしスマホでは液晶よりも省電力化ができますがTVサイズになると画面の明るさを確保するために、二層化が必要で、より多くの電力を消費するので、まだ液晶テレビのほうが使う電力は少ないのです。スマホのように1層で輝度が足りるサイズでは有機ELのほうが省電力化できるのですが、現在の技術では大型TVではまだ1層では輝度を確保できていません。これからに期待ですね。

・高画質
有機ELは液晶の1000倍の応答速度を実現しているので誰の目で見ても明らかなくらい、液晶よりも高画質に動画を映し出すことができます。
また、白いバックライトを遮ることで自然色を表現する液晶と違い、画素そのものが発行するのでコントラストがはっきりしている点と、黒色の綺麗さが注目されています。また、視野角が広いので複数人で一緒に画面を見るようなシーンにもおすすめです。

・曲面を生かしたデザインが可能
有機ELディスプレイは「折り曲げられる」という特性を持っています。その特性を生かして、スマホ全体が湾曲しているモデルも既に発売されています。より臨場感のある映像を楽しむことが出来ると一部で注目を集めました。
将来的には、折りたたみ式で必要な時だけ画面を大きく出来るスマホも実用化されるだろうと言われています。

・本体が薄い・軽い
有機ELディスプレイのスマホはバックライトが必要無いので、液晶よりも本体を薄く・軽くできます。
重さ
Galaxy S7 edge 158g
iPhone 6s Plus 192g
Xperia Z5 Premium 181g

Galaxyが有機ELで、iPhoneとXperiaは液晶ディスプレイです。いずれも5.5インチのモデルで、一番大きなバッテリーを積んでいるにもかかわらずGalaxyが12%〜18%も軽くなっています。

液晶テレビも発売当初よりずいぶんスリムになってきましたが、「薄型」といわれるモデルでも厚みは平均8㎝程度あります。一方、有機ELテレビは液晶とは構造が大きく異なるため、液晶ディスプレイとは比較にならないくらい薄く作ることが出来ます。例えばLGが日本国内で販売しているOLED(有機EL)テレビは、最薄部でわずか4.6mm程度という薄さです(http://www.lg.com/jp/tv/lg-OLED55B6P)。iPhone 6Sでも7.1mmありますから、普段手にしているスマホよりも薄いなんて、驚きですね。

●デメリット・欠点
液晶に劣る部分ももちろんあります。

・直射日光下で見づらい
スマホではバックライトを持たないため、最高輝度が液晶と比べて低くなりがちです。画面をより明るく出来る方が太陽光下では見やすいので、最高輝度が明るい液晶の方が太陽光下での視認性が高いです。

・寿命が短い
有機ELディスプレイは寿命が短いです。有機ELの寿命は液晶の半分以下です。プラズマテレビは有機ELの三倍程度寿命を持っています。そう言われると多くの人が不安になりそうですが、有機ELディスプレイの寿命は1.5~3万時間なので、1〜2万時間の寿命のブラウン管と同等以上なので、実用上問題はあまりないでしょう。。

・値段が高い
液晶テレビはいまや55インチの大型モデルでも10万円前後で手に入るようになりました。それに対して有機ELテレビは、まだ最安値で20万円台です。性能が良いとはいえ、テレビにそんな大金は払えないという人も多いでしょう。しかし液晶テレビも登場後急速に価格が下落したことを考えると、今後は手の届きやすい価格帯に下がってくることが期待されます。

以上が有機ELディスプレイのメリット・デメリットでした。画素そのものが発光するというディスプレイは街頭ビジョンなど大型のものではこれまでもありましたが、これが家庭用のテレビサイズで実現したというのは大きな技術革新です。この記事を読んだ皆様も機会があれば家電店などで有機ELのテレビを一度ご覧ください。一目で、画質の良さを理解できると思います。
次々に新しい言葉や技術が身近になっていく現在ですが、知らないことをそのままにしないで、能動的に調べることが大切になんだと筆者はこの記事を書きながら感じました。

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