コラム

Column

調光フィルムにはどんなメリットがある?

2025.04

調光フィルムは、快適な空間づくりやプライバシーの確保に便利な設備です。
そこで今回は、調光フィルムのメリットを解説します。
調光フィルムを導入する際の注意点や選び方も説明しますので、調光フィルムの導入をご検討中の方は、
ぜひ参考にしてください。

 

調光フィルムとは

まずは、調光フィルムについて説明します。

 

調光フィルムとは?

調光フィルムとは、スイッチで透明度を調節できるフィルムのことです。
住宅や商業ビルなどに活用される場合が多く、改良や競合が進んだことで、以前よりも購入しやすい傾向にあります。

また、瞬間調光ガラスはガラスの間に調光フィルムを挟んだ構造で、電車の窓ガラスなどに採用されており、
衝撃に強く一般的な建築物に導入できるメリットもあります。

 

調光フィルムの活用シーン

調光フィルムは、以下のシーンに活用できます。

・オフィス

・店舗

・病院

・ホテル

・浴室

・自動車

オフィスでは、会議室や応接室などに調光フィルムを導入する場合が多く、店舗や病院ではプロジェクター映像の投影に活用することで、情報提供やアイキャッチ効果も期待できます。

最近では、救急車の窓ガラスに活用されているケースも多く、布カーテンよりも衛生的で清掃しやすい点がメリットです。
ホテルや浴室に調光フィルムを導入する際は、一定時間水にさらされても正常に動作できる防水規格のものを選ぶと
よいでしょう。

 

調光フィルムの仕組み

調光フィルムは、内部の液晶層に電流を流して透明度を調節する仕組みです。
調光フィルムの液晶層は、厚さ約0.1~0.2mmの「透明導電膜」と呼ばれるコーティング層に挟まれています。

透明導電膜には電気を通す性質があり、電圧をかけると調光フィルム内の液晶分子が整列して透明な状態になります。
逆に、電圧をかけない場合は液晶分子内部で光が散乱し、不透明になる仕組みです。

この仕組みを調光フィルムに利用することで、パーテーションの透明度を調節できるようになります。
また、このタイプの調光フィルムは「PDLC方式」と呼ばれることもあり、液晶という特殊な液体を使用した建材として
普及している方式です。

 

PDLC方式以外の調光フィルムの代表的な種類

<PNLC方式>

PNLC方式は、液晶を網目状の物質の中に閉じ込めた調光フィルムです。
電気が流れていない時は、液晶がバラバラの方向を向いて光を散乱させるため、フィルムは白く曇って見え、
電気を流すと液晶が同じ方向に整列して光を通すようになり、フィルムは透明になります。

また、PDLCとPNLCの違いは、液晶の閉じ込め方が異なり、PNLCの方がより透明度が高いという特徴があります。
こちらもPDLC方式と同様、建材として幅広く普及している方式で、オフィスや店舗の窓など、透明な状態での使用が多い
場所に適しています。


<SPD方式>

SPD方式は、電圧の強弱により光の透過率を調節する調光フィルムです。
導電膜間の電子ナノ粒子に電圧をかけることで光の透過率が変化する仕組みで、

電気が流れていない時は、粒子がバラバラの方向を向いて光を遮るので、フィルムは黒っぽく見え、電気を流すと粒子が同じ
方向に整列して光を通すようになるため、フィルムは透明に見えます。

また、SPD方式の調光フィルムは、透明/不透明の切り替え速度が非常に速く、電圧の強さに応じて透過率を細かく調整できる点にも優れており、車の窓やサンルーフへの活用が期待されています。


<エレクトロクロミック方式>

エレクトロクロミック方式は、エレクトロクロミックゲルを薄いガラスの間に挟み、電流を流して光の透過率を
コントロールする種類です。弱い電流でガラスの色や透明度を調節する仕組みで、車のバックミラーなどに採用されており、紫外線や赤外線をカットできるものもあります。
また、エレクトロクロミック方式の調光フィルムはボーイング747の窓ガラスにも採用され、使用環境に合わせて窓を暗くできる点もメリットといえるでしょう。

ただ、その反面、透明/不透明の切り替え速度が遅く、耐久性が低く内装の建材として利用するには不向きという
デメリットもあります。

 

調光フィルムのメリット

ここからは、調光フィルムのメリットを解説します。

高速で透明・不透明を入れ替えられる

調光フィルムは、スイッチを押すだけで瞬時に透明・不透明を入れ替えられるので、急な来客や会議の際も素早く
活用できます。タイムラグを感じにくく、操作に手間や時間がかからない点もメリットです。

また、商業施設では調光フィルムの透明度を各時間帯で入れ替えて、演出やセキュリティの向上に役立てるケースもあります。

 

UVカット効果が得られるものもある

UVカット機能付きの調光フィルムを選べば、紫外線の影響を最小限に抑えられます。
紫外線の影響で設備の退色や劣化が進むと、高額なメンテナンス費用がかかる場合もあるので、窓際に調光フィルムを設置する場合は、UVカット効果が期待できるものを選ぶのがおすすめです。

また、UVカット機能付きの調光フィルムは室温の上昇を抑える効果や、まぶしさを軽減する効果も期待できます。

 

おしゃれな雰囲気になる

調光フィルムを導入すると、室内の雰囲気をおしゃれに演出できます。目隠しはカーテンやブラインドでも作れますが、
調光フィルムを活用することで、壁や家具の色を生かした空間づくりが可能です。

また、調光フィルムは室内の機能性も高められるので、スタッフの満足度を高められる上に、生産性の向上効果も
期待できるでしょう。

 

設置場所の自由度が高い

調光フィルムは設置場所の自由度が高く、大きさや形状を問わずに導入できます。
デザイン性を重視した加工が可能で、曲線部分や広い空間に設置できる点もメリットです。

また、調光フィルムは部分的に貼りつけられるので、ロゴやメッセージ入りの調光フィルムで企業イメージのアピールも
できます。

 

プライバシーの確保に役立つ

調光フィルムは、プライバシーの確保に役立ちます。病院の診察室やオフィスの会議室など、プライバシーの管理が
必要なシーンにおいて、外部からの視線を遮断できる点がメリットです。

プライバシーの確保とセキュリティ対策を同時に行う場合は、電源を消すと透明になる調光フィルムを選ぶとよいでしょう。

 

災害時の安全対策になる

調光フィルムは割れても周囲に飛び散りにくく、災害時の安全対策にも有効です。
特殊なシートで挟んだ構造で、地震による被害も抑えられます。また、調光フィルムは消費電力が少なく、
災害時の活用も可能です。

 

スクリーン代わりに利用できる

調光フィルムは、プロジェクターと組み合わせることでスクリーン代わりに利用できます。
一般的なガラスであれば光を通してしまいますが、調光フィルムは不透明な状態に調節するだけで鮮明な映像の投影が
可能です。

また、調光フィルムはプレゼンテーションやプロジェクションマッピングに利用することで、限られた空間を有効活用できる
メリットもあります。

 

調光フィルムを導入する際の注意点

ここからは、調光フィルムを導入する際の注意点を説明します。

 

導入費用や設置費用

調光フィルムは、一般的なガラスの設置工事とは異なり、電気工事士による作業が必要です。
その分、導入費用や設置費用が高くかかります。導入費用や設置費用は、工程数やスタッフの人数、接地する面積が増えるほど高額になるので、事前に予算計画を立てておくことが大切です。

また、メンテナンスにも費用がかかります。

 

故障やトラブル時の対応

調光フィルムの透明度は電気を利用して調節するので、故障やトラブルが発生すると使用できなくなってしまいます。
そのため、カーテンやパーテーションを準備するなど、故障やトラブルの発生に備えて緊急時の対策をとっておくことが
大切です。

また、復旧時間や専門業者の問い合わせ先を事前に把握すれば、万が一の故障やトラブルにも落ち着いて対応できるでしょう。

 

信頼できる専門業者を頼ること

調光フィルムを導入する際は、信頼できる専門業者を頼ることをおすすめします。
調光フィルムの設置には専門的な知識が必要で、設置に時間がかかる場合もあります。
導入時にスケジュールを調整する必要があれば、施工期間も併せて確認しておくとよいでしょう。

なお、調光フィルムの設置時期が決まったら、事前に見積もりを依頼する必要もあります。

 

調光フィルム選び

<品質>

調光フィルムを選ぶ際は、以下を参考に品質の高さを確認しましょう。

・価格

・スイッチングスピード

・フィルムの透明度

・導電膜フィルムの性能

・加工の最大サイズ

設置場所に適した調光フィルムを希望する場合は、調光フィルムを取り扱う専門業者に相談するのがおすすめです。
見積もりから施工まで一貫した対応の専門業者に相談すれば、設置場所に適した調光フィルムを紹介してもらえるかも
しれません。


<コスト>

調光フィルムの導入には費用がかかるので、コスト面も重要な確認項目です。
専門業者に見積もりを依頼する場合は、見積もり内容に含まれる工程や、材料ロス分の負担があるか確認しておくと
よいでしょう。調光フィルムの導入前に予算計画を立てて、使用する目的に適したものを選ぶことが大切です。


<サポートやアフターフォロー>

調光フィルムを導入する際は、サポートやアフターフォローが充実している専門業者を選んでください。
保証期間を設定している業者は、工事終了後のトラブルにも対応してもらえて安心です。

また、調光フィルムは配線の施工環境や漏電のリスクなどを把握して、万が一のトラブルに備える必要もあるので、
手厚いサポート体制の専門業者を選ぶのがおすすめです。

 

まとめ

調光フィルムは電気で光の透過率を調節でき、プライバシーの保護にも役立ちます。
カーテンやブラインドよりも壁や家具の色を生かした空間をつくりやすく、
万が一割れてしまっても周囲に飛び散りにくい点も魅力の一つです。
快適な空間をデザインしたい方は、ぜひ調光フィルムの導入をご検討ください。

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