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LEDビジョンとは?基礎知識やメリット、法令知識まで徹底解説!

2025.03

近年、街中で目にする機会が増えてきたLEDビジョン。大型ディスプレイに鮮やかな映像を表示することで、
人々の目を惹きつけ、情報発信に役立っています。
この記事では、LEDビジョンについて知りたい方や導入を検討している方へ、基礎知識や設置メリットについて
詳しく解説していきます。

 


【目次】

・LEDビジョンとは? 

・LEDビジョンに関する基礎知識 

・LEDビジョンのメリット 

・LEDビジョンの設置方法 

・屋外設置の注意点 

・LEDビジョンの設置に関する法令知識 

・LEDビジョンに関するよくある質問 

・まとめ 


 

LEDビジョンとは?

LEDビジョンとは、LED(Light Emitting Diode)を光源として、映像や文字などの情報を表示するディスプレイ技術のことを指し、一般的に屋外看板や商業施設での広告や情報表示を目的とした「電子掲示板」や「デジタルサイネージ」と呼ばれる表示機器の一種です。

従来の液晶ディスプレイとは異なり防水性能や耐久性に優れている面や、サイズ・形状を自由に変更できる点が特徴的で、
近年注目を集めています。

 

仕組み

LEDビジョンのLEDは別名「発光ダイオード」とも呼ばれ、小さなLED素子を複数組み合わせたものはモジュールと呼びます。
そのモジュールを複数組み合わせたものをユニットと呼び、LEDはこのユニットを更に複数枚組み合わせて構成されています。

各LED素子は、赤・緑・青の3色で構成され、それぞれの色や明るさを制御することで、高画質で鮮明な映像を表示します。

 

種類

LEDビジョンは、設置場所や用途に合わせて、様々な種類があります。

 

屋内用LEDビジョン

屋内用LEDビジョンは、外光や天候の影響を受けずに高品質な映像を提供できるかつ、ピクセルピッチを小さくすることで
高精細な描画が可能なため、近距離での視聴を目的とした際に最適なLEDビジョンです。

オフィスの会議室やショールーム、商業施設で広告や情報掲示として利用される他、ライブやコンサート、イベントなどの
エンターテインメント分野において迫力ある空間演出の表現にも活用できます。

 

屋外用LEDビジョン

屋外用のLEDビジョンは、防塵・防水設計となっているため、雨や雪などあらゆる環境に対しても継続して利用できるよう高い耐久性を持っています。

また、高い明度と輝度を備えているため、直射日光の当たる日中でも鮮明でインパクトのある映像を流すことができ、
昼夜問わず高い視認性を維持することが可能です。

 

透過型LEDビジョン

メッシュ状で透過性のあるLEDビジョンです。
ショーウィンドウなど屋外に面したガラス面に設置しても、外からの日差しを遮りにくく、室内が暗くなることを防げます。

また、屋外からLEDビジョン越しに屋内の展示物が見えるため、映像と掛け合わせた演出表現も可能です。

 

柱型LEDビジョン

複数のLEDモジュールの組み合わせによって構成された、立体的なLEDビジョンです。
他にもカーブ状、らせん状など、液晶ディスプレイのような決まった形・サイズに捉われず様々なレイアウトに対応可能で、
あらゆる形状での映像表現ができるようになっています。

 

LEDビジョンに関する基礎知識

LEDビジョンの性能を表す指標として、以下のものがあります。

 

解像度

解像度とは、「ひとつの絵に対してどれだけの点(ピクセル)で表示しているか」を表す数値です。
LEDビジョンの解像度はピクセルピッチ(Pixel Pitch)という指標で表され、1㎡あたりのピクセル数は、
ピクセルピッチによって変わります。ピッチ数が細かいほど1つの面積に対して使用するLED素子の数(ピクセル数)が
多くなるため高画質(高解像度)になります。

例えば、W6,000mm×H4,500mmサイズのLEDビジョンでピクセルピッチが10mmとした場合、解像度は600×450ピクセルなのに対し、4mmとした場合解像度は1500×1125ピクセルとなり、同じサイズの画面でもピッチ数によって解像度が大きく変化することが分かります。

これによって高い解像度のビジョンはより高精細な表現が可能になります。

 

ピクセルピッチ

ピクセルピッチは、隣り合うLED素子の中心間の距離のことを示します。ピクセルピッチが小さいほど、解像度が高く、
高精細な映像を表示できます。

また、適切な視認距離に対応したピクセルピッチは、屋内など近距離で視聴する場合には1.0mm~2.5mm程度、
屋外や遠距離での視聴を目的とした場合には6.0mm~10.0mmを選択すると良いでしょう。

 

輝度

LEDビジョンや液晶ディスプレイが、どれだけ明るく見えるかを表します。
この輝度の単位を「 cd/㎡(カンデラ毎平方メートル)」と表記し、数値が大きければ大きいほど明るく、視認性が増すということになります。

 

視野角

視野角とは、ディスプレイをどの角度から見ても映像が歪んだり、色が変わったりせず、鮮明に表示されるかを表す角度のことです。視野角はディスプレイの中央を基準にして、2方向(水平視野角・垂直視野角)で測定されますが、この角度が広くなるほど、広い範囲で画面を鮮明に見ることができます。

ピクセルピッチ、解像度、最適視認距離の関係は、以下の通りです。

 

LEDビジョンのメリット

LEDビジョンには、従来のディスプレイにはない様々なメリットがあります。
ここではLEDビジョンを利用するメリットを紹介します。

 

高輝度・高画質により優れた視認性を確保できる

LEDは自発光であるため、液晶ディスプレイに比べて輝度が高く、日差しが強い日中の屋外でも鮮明な映像を表示することが
できます。そのため昼夜関係なく視覚的に見やすい映像を放映でき、高い視認性を確保できます。

 

自由な形状・サイズに変更できるカスタマイズ性

LEDビジョンは複数のパネル(ユニット)を組み合わせることで、設置場所に合わせて自由にサイズや形状を設計できるため、湾曲した壁面やらせん状、球形など様々なレイアウトに対応可能です。

 

省エネルギー × 長寿命 × 高耐久でコストを抑えられる

LEDは消費電力が少ない、かつ長寿命なため、数万時間の使用が可能です。そのため長期間の使用でも電気代が抑えられ、
コスト面でもメリットがあります。

また、屋外の環境下においても継続して利用をできるよう設計されているため、耐久性にも優れています。
これにより頻繁に交換する手間や費用が抑えられ、長期的に見ても費用対効果が非常に高くなると言えます。

 

ベゼルレスな大画面を設計し没入感を演出できる

ベゼルとは、液晶ディスプレイを囲う枠(フレーム)のことを指しています。
液晶ディスプレイで大型のディスプレイを設計する場合、マルチ画面(液晶モニター同士による組合せ)にて画面を構築することになりますが、その際、液晶モニター同士の繋ぎ目(ベゼル)が目立ち、画面上の線が気になってしまいます。

LEDビジョンの場合は、複数のパネル(ユニット)を組み合わせて構成しているため、繋ぎ目を気にせず画面を構築することができます。
それにより、壁面や天井にLEDビジョンを設置して、圧倒的な没入感を生み出す空間演出を表現することが可能です。

 

故障リスクを最小限に抑えられる

液晶ディスプレイの場合、画面の一部が故障してしまった際、本体ごと交換する必要があります。
しかしLEDビジョンは、モジュールごとに交換が可能で、故障した部分だけを修理することができるため、全体を交換する必要がなく、修理コストを最低限に抑えることができます。

 

LEDビジョンの設置方法

LEDビジョンを設置する方法には、いくつかの方法があります。それぞれの設置方法は、設置する場所や用途によって異なり、選択する方法によってLEDビジョンの見え方も異なります。
ここでは、LEDビジョンの設置方法の違いについて解説していきます。

 

自立型スタンド

専用の自立スタンドを使って、LEDビジョンを設置する方法です。
屋内はもちろん、屋外にも設置可能で、移動や設置が容易に行えるのが特徴です。

そのため、気軽に設置場所を変更したりお手入れをしたりできるメリットがあるといえるでしょう。

 

天吊り・トラス吊り

専用器具を使って天井や高所から直接LEDビジョンを吊り下げる設置方法です。
人の視線に合わせた高さに調整して設置できるため、人がたくさん集まる場所や遠く離れたところからでも画面全体が
見やすく、映像コンテンツをアピールすることができるメリットがあります。

 

壁掛け型

LEDビジョンを壁に直接取り付ける設置方法です。
設置の際には壁に金具やフレームを取り付けてしっかりと固定するため、振動に強く安定性があり、地面に接地しない分
スペースを有効活用できるという点が特徴です。

また壁に設置する手段として、壁面に直接埋め込む方法もあります。
こちらの手法は壁面の凹凸に合わせてモニターを埋め込むため、壁面と映像が一体化して省スペースかつスタイリッシュに
見せることができるという点が魅力的です。

 

屋外設置の注意点

LEDビジョンを屋外に設置する際は、各種法令に基づいて設置する必要があるのはもちろん、
あらゆる環境下にも耐えられるよう、耐候性や防水性を考慮した設置が求められます。

屋外設置の際には以下の点に注意しましょう。

 

視認距離

LEDビジョンの設置場所と人が立って見せたい地点までの距離によって、適正なピッチサイズが異なります。
視認距離は以下の式で計算することができます。

“最適ピッチサイズ(mm) = 視認距離(m) ÷ 1000”

設置の際は、ターゲットとの視聴想定距離を計算し、適切なピクセルピッチを選択しましょう。

 

防水・防塵対策

屋外用LEDビジョンは、あらゆる屋外環境に耐えられるよう、適切なIP規格(防水・防塵規格)を持つディスプレイを選ぶ必要があります。

 

耐風対策

強風による転倒や破損を防ぐため、設置時にディスプレイの固定方法を工夫し、風で飛ばされないよう対策が必要です。

 

LEDビジョンの設置に関する法令知識

屋外にLEDビジョンを設置する場合は、屋外広告物法などの法令を遵守する必要があります。
ルールを守らず設置すると、行政から是正勧告を受けるだけでなく、設置したLEDビジョンを撤去しなければならないことにもなります。このような事態を未然に防ぐためにも、ここでは、LEDビジョンを設置する際に気を付けておきたい法令知識について解説します。

 

屋外広告物法

屋外広告物法とは、屋外広告物の設置について、許可基準や表示方法などを定めた法律のことです。
屋外にLEDビジョンを設置する場合、その多くは「屋外広告物」に該当し
屋外広告物法および各自治体が定める屋外広告物条例の規制対象となります。

これらの法令では、LEDビジョンのサイズ表示内容、設置場所、照度などが細かく規定されており交通の妨げになる場所への設置は厳しく制限される傾向があります。そのため設置前には、必ず設置場所の自治体に屋外広告物条例を確認し、必要な許可申請を行いましょう 

 

景観法

景観法は、都市・地域の景観を保全し生活環境を良好に保つための法律です。
各自治体の景観条例や景観法によって、LEDビジョンのデザインや色彩、設置場所を規制し 無秩序に建物や広告物が
設置されることを防いでいます。

特に歴史的な景観を持つ地域や自然豊かな地域では、より厳しい規制が設けられている場合があります。

景観計画が定められている地域では、LEDビジョンの設置が制限、または禁止されるケースもあるため、LEDビジョンを設置する際には、周囲の景観に与える影響について考慮する必要があります。 

 

道路法

道路法は、道路の整備管理、利用に関する基本的な法律で、日本の道路に関する制度を定めています。 
道路交通法では、LEDビジョンが道路標識や信号機の視認性を妨げるような設置や、運転者の注意を散漫にするような表示を禁止しており、LEDビジョン道路標識や信号機付近に設置することや点滅表示させるなど規制対象となります

道路に面してLEDビジョンを設置する場合、道路交通に支障がないよう道路法の規定を遵守し、管理者との協議が必要です 

 

建築基準法

建築基準法とは、建築物の設計や建設に関する基本的なルールを定めた法律です。
この法律の目的は、建築物が安全で衛生的、かつ環境に配慮したものであることを確保し、住民の健康や安全を守ることにあります。 

建築基準法では、LEDビジョンの設置方法や構造に関して基準が定められており、特に重量のあるLEDビジョンを建物に設置する場合は、建物の構造耐力に影響を与えないよう適切な設計と施工が必要です。 

また、一定の高さを超えるLEDビジョンを設置する場合は、建築確認申請が必要となる場合があるため、可能であれば専門業者に相談し、法令遵守のためのアドバイスを受けることをお勧めします。設置前には必ず設置場所の自治体に確認するようにしましょう。 

 

LEDビジョンに関するよくある質問

LEDビジョンの価格帯は?

LEDビジョンの価格は、ディスプレイのサイズや解像度はもちろん、種類や機能、設置方法など、様々な要素によって大きく
異なってきます。

視聴距離や設置場所に応じて必要最小限の解像度やサイズを選ぶことで、コストを抑えることが可能ですが、LEDビジョンを導入する際には、本体価格の他にも周辺機器や施工費、設置する場所までの輸送費なども必要になるため、設置計画を立てる際にはこれらの諸経費も考慮しなくてはなりません。
そのため、まずは各社から見積もりをもらい、複数社で比較検討することをお勧めします。

クラウドポイントでは、お客様からヒアリングをさせていただいたうえで、お見積もりをお出ししております。まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。

 

まとめ

LEDビジョンは、高輝度・高画質、省エネ性、長寿命・高耐久性など、多くのメリットを持つディスプレイシステムです。
屋外広告やイベント、商業施設など様々な場所で活用されており、設置する際には、設置場所の条件や法令などを考慮する
必要があります。

それでもLEDビジョンは、従来のディスプレイに比べてあらゆる天候下や時間帯に左右されることなく、高品質な映像を放映できるため、視認性や訴求力の面で優れていると言えます。
また、運用面においてもLEDビジョンは省エネルギーかつ長寿命なため、日々の電気代を抑えることができ、長期運用に向いています。

LEDビジョンの技術は常に進化しており、今後ますます高画質化、省エネ化が進むと予想されます。
また、設置場所や用途に合わせて、より多様な種類のLEDビジョンが登場するでしょう。

 

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ご検討・ご見学希望の際にはぜひお問合せください。

 

 

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